東海道駅うどんの旅 その2


東海道線の駅うどんを堪能しながら京都に帰省したわけですが
あれだけ年越しうどんや天下一品のラーメンを堪能したのにもかかわらず
駅のホームに佇むあの小屋と麺の茹でた匂いを忘れることができず、帰りも立ち寄りながら東京に戻ることにしました。

京都には、中々素敵なスーパーマーケットがたくさんありまして
母親と一緒に買い物など行くと関西、京都でしか買えない食材や調味料によく出会うのですが
パンのコーナーに目をやると大手製パンメーカーの間にローカルのみで味わえる菓子パンが並べられてるのに目をつけました。

私は、菓子パンも大好きで、中でも餡子ものには目がなく、餡パンや回転焼きを頬張りながらライブを見ることもしばしば。
どうにかこのローカルの菓子パンと駅うどんを共に楽しむことは出来ないかと、地図と時刻表を眺めながら実家にて年を越しました。

京都のスーパー買い込んだ食材と調味料がパンパンに郵便局に預け、再び青春18きっぷを握り電車に乗り込むのでした。



*近鉄京都駅 麺ざんまい

一旦JR京都駅で下車し、近鉄の改札をくぐります。
麺ざんまいは、近鉄京都駅内にあるので入場券を買わないと入れません。

しかし、近鉄京都駅は凄く綺麗になりましたね。
行き先を伝えるソラリー式(パタパタ回転する案内板 近鉄では単にソラリーと呼ぶ)はすべてLED化され、
汚かった壁は塗り替えられてましたが
改札を抜けると左から奈良・
伊勢志摩方面の特急のホームそして橿原神宮前方面、京都線のホームとコンパクトな駅の中に4線も詰まっており、 
今でも大好きな駅であります。
 
壮観なホームを横目に、麺ざんまいに向かいます。
朝10時までは、
かけうどん200円という安さは近鉄沿線の朝の胃袋を満たすには充分過ぎるほどのコストパフォーマンス。
 
もちろん、関西風のお出汁。
かけですが、セルフで天かすを入れられるのでお得感もあります。
麺は、冷凍を使用してるのか歯ごたえのある食感でした。


オフィスボーイズ加藤さんが立ち寄られてたことを前日に思い出し、私も立ち寄ったのですが、

 店内の奥に荷物や機材を置ける気持ちのいいスペースが用意されてたり、天かすをセルフで置いてあるなど、何ともうどん好きの心がわかるお店でした。





*彦根駅 つるやパンのサラダパン

彦根は、以前出張で立ち寄ったこともあり昭和の雰囲気を残す街で大好きなのですが

彦根城の眼前に聳える滋賀県民の生活のパートナーである平和堂に、キングオブ惣菜パンとして名高い
 つるやさんのサラダパンが売られてるという前情報を仕入れていたのです。

つるやパンさん自体は、湖北の木之本に店舗があるのですが
一部の平和堂に卸しており、県内で購入することが可能なわけです。

そしてありました、駅前平和堂のパンコーナー。
特別にコーナーまで出されてる念の入れ様。


同社のサンドウィッチ(ウで合ってます)は、
この店舗では購入することができませんでした。
 

彦根市内は、綺麗に区画された観光用の通りの裏に旧いビルが並ぶ商店街やKBS滋賀の放送局などを見て回りました。
街でゆっくりし過ぎた為に、facebookでチェック出来る
ひこにゃんが彦根城に現れる時間がとっくに過ぎてました…。











*米原駅 井筒屋

行く旅人、来る旅人を優しく迎え続けた米原駅の井筒屋さんにも立ち寄らないといけません。

現状ここが、駅うどんにおける東西の出汁の変わり目にあたりますので。
やはり何度調べても名古屋までの間に駅うどんは存在しない模様で
した。(尾張一宮の麺亭かきつばたも閉店してました)







旅のお供は、100000tで購入した若松孝二監督の 俺は手を汚す。

2012年に亡くなられた監督の80年代前半までの半生をまとめた自伝集。

旅のお供にはおすすめできないフラストレーションが炸裂した文章。目は覚めます



*名古屋駅 1・2番ホーム 名代きしめん

東京方面のホームが、名代きしめん。
大阪方面のホームが、麺亭かきつばた、どえりゃあ亭 と店舗が変わるのですが

乗り換えの時間と今後の菓子パン購入スケジュールを考えて初めてのきしめんを試してみることにしました。
 

名古屋駅のホームによって出汁が変わる噂はまた次回の為にとっておこうと思います。

きしめん用の出汁が存在するのか未確認なのですが、
鰹節が効いた出汁が太い麺に絡まり香りを楽しむことができました
ホームの隅にある店舗に、スーツを着た通勤前の女性が吸い込まれていくのが印象的でありました。




*豊橋駅 ボン千賀

名古屋から豊橋行きの電車に乗り換え、豊橋駅へ。豊橋も以前出張で訪れたことのある街で
市内を路面電車が横断し古い街並みに溶け込んで何とも懐かしい気持ちになります。

広島や長崎、福井など路面電車が走る街 は大好きです。
何故京都は路面電車を止めてしまったのでしょうか。

さて、
年末に菓子パンを調べていると必ず紹介される豊橋のボン千賀さん
創業から変わってないであろうレトロな店内と外観。
売られてる菓子パンもオリジナルなデザインでポイント高いです。

大手メーカーのローカル菓子パンも良いのですが、
こういった地元の皆さんに愛され変わらない味とデザインを守ってるのも大事な要素なのです。

お店に到着した14時の時点で店内のパンは全て売り切れており、
夕方便がすぐ来ると教えていただきボン千賀さんから歩いて10分ほどのサンヨネスーパーへ。
こちらでも豊橋のヨシノパンから販売されてるデセールというクッ
キーのような記事にクリームが挟まった菓子パン。
そして愛知県の皆さんには、おなじみの小倉&
マーガリンの菓子パン。

あとは、
お土産に豊橋のローカル袋麺であるポンポコラーメンを購入。

夕方便が到着したころにボン千賀さんに戻り、くろんぼパンと、
クリームパンと対面
くろんぼパンは、
白餡が詰まった餡パンで駅で購入した飛騨コーヒーとの相性もよく車窓を眺めながら美味しく頂きました。



















*掛川駅  岡パンのメロンパン

掛川には、岡田製パン(通称岡パン)から発売されているメロンパンがありまして地元ではかなり有名だそうで、どうしても食べてみたいと思い途中下車。


岡パンは、日坂という所に店舗を構えており駅からは距離がある。
道の駅等に卸してるという情報は持っていたのですが、
その道の駅も駅からは遠い。

駅前をしらみ潰しに探すことに。


駅からすぐ出たところにある朝市とかをやっていそうな観光客向け
のスーパーがあり立ち寄るが大手メーカーの菓子パンしかなくすぐに店を出る。
仕方ないのでGoogle mapに頼り西に遠鉄ストアというスーパーがあることを知りダメ
元で徒歩で移動。

15分ほど歩いて遠鉄ストアに到着。
そしてありました岡パンのメロンパン。
一番目立つところに鎮座しておりました。


岡パンは地元の給食にもパンを卸してるらしく掛川に育ったは、
岡パンに育てられたと言っても間違いないでしょう。
岡パンのメロンパンは、
食べずに持ち帰ったのですが頭が割れていない甘食のような外見に底にアルミホイルが敷いてあり
 黙ってお出したらメロンパンとは思えない見た目です。

一口かぶりつくとほんのりメロンの風味を感じるクリームが入って
おります。
岡パンのメロンパンは、
メロンの香りがするクリームパンなのでした。
サクサクのクッキー生地、
網目の模様というメロンパンの固定概念を見事に裏切る、でもしっかりメロン味のする菓子パンでありました。



*沼津駅 のっぽパン

静岡の菓子パンと言えば、のっぽパンを避けて通れません。
沼津や、静岡県東部では圧倒的な知名度を持つ のっぽパン。


以前はあちこちのスーパーやコンビニで売られていたらしいのですが、
最近は製造元も変わり中々手に入りにくい状況となってるそうです
ですが私は、
根拠なく楽観視して静岡駅で下車し駅前の百貨店やスーパーで聞き込みをするも
かつては静岡駅ビルに、
のっぽパン専門店が存在したが現在は閉店しており静岡駅周辺では売られていないことがわかりました。

のっぽパンの故郷である沼津駅で手に入らないのであれば諦めよう
と途中下車。
この時点ですっかり外は暗くなっておりました。


行きにも立ち寄った沼津駅のエキナカスーパーに閉店ギリギリで飛
び込むも、取り扱いはなく
駅前アーケード内のスーパーを巡るも、
のっぽパンの存在すら感じさせない。
どこのスーパーも20時で閉店してしまうので気持ちは凄く焦りま
した。

この時点で、すっかりうどんの事は忘れております。


再びGoogle mapに頼りイトーヨーカドーを発見。
ここに賭けようと歩き出しました。駅前から徒歩で20分くらい。


ほとんど客のいないイトーヨーカドーに滑り込み、
パンコーナーを目指します…ありました!のっぽパン。
レジの横の一番目立つところにたくさんありました。

長さが34センチもあるのでとても目立ちます。
キリンの絵が描かれたのっぽパン専用のビニール袋に入れてもらえるかと期待しましたが、普通の袋に入れられネギを買ったような様相になります。

34センチもある長さのコッペパンの中にクリームが入っておりま
す。
クリーム・チョコ・
ピーナッツの三種を売られてるのを確認しましたが、クリームとチョコを買って帰りました。

片道20分を歩いて駅まで戻り、
駅のホームのキヨスクにて目を付けていた "ようかんぱん" を購入。
ようかんぱんは、餡パンに液体のようかんでコーティングし、
中央のくぼみにホイップクリームを絞り出した静岡県富士市周辺のみで売られてる、とてもとても甘い菓子パンです。
 

静岡県の景色のイラストをあしらったオリジナルな袋も秀逸。
ようかんぱんは、
作業工程が複雑らしく県内に何軒かあった製パン所も閉鎖。
今は、富士製パンのみが製造を続けております。
50年以上も愛される富士市が誇る菓子パンなのです。




途中で菓子パン集めに精を出しておりましたが、
家まで帰る電車もかなり遅くなりホーム上に存在する駅うどんが店を閉める時間となってしまいました。

最後に、品川駅にてJR線の常盤軒と京急1番ホームにある えきめんやとの味を比べようと思っていたのですが、
これも時間切れ
京急内にある えきめんやは関西風の出汁と関東風の出汁を選ぶことができるので

 非常に楽しみにしていたのですが、またこちらも次回のお楽しみにしておきます。。。



東海道駅うどんの旅 その1


今年から東京に引っ越した私は、青春18きっぷを使い京都に帰ることを計画しました。
かつてはライブ遠征のために東京、京都間の移動や夏休みに丸一日かけて京都から
長崎まで乗り継いだり、18きっぷの旅には慣れておりました。

毎度、移動時間のすべてを電車の中で過ごすことに飽きていた私は
京都に帰るまでの間、何杯駅うどんを食べられるのか?
そして何処で関西風の出汁に変わるのか?

自分の身体を使って試してみることにしました。

タイムリミットは、出町柳SOCRATESの恒例年末GIGに間に合わせる事。
そして、何故うどんなのかは、私大好物がうどんであり、蕎麦アレルギーでもあるから。

iphoneを使った検索と車窓から見える、"そば・うどん"の小屋を探しながら西へと向かいました。


*藤沢駅 大船軒
 
電車の遅れから、藤沢駅に停車することになり乗り換え待ちの間にホームを散策すると麺の茹でたいい匂いが。
階段の下にひっそりと佇む店構え。

熱海で一杯目を食べようと思ったが変更。
大船軒は、日本レストランエンタプライズ(JRの子会社)とお弁当屋の大船軒の合弁会社。
駅そばの大元が街のお弁当屋さんというのはよくあるパターンらしい。




 

まずは、"かけ"から。 

まだまだ関東風の醤油味がキツい色の濃いお出汁。
大船軒は、刻みの白ネギが乗っていた。
うどんはぼそぼそした柔らかい麺で、関西のおうどんに慣れた私にはこちらのほうが好み。


 

大体の駅そば、立ち食いそばは、そばとうどんを同じ釜で茹でている。
蕎麦アレルギーの人はお分かりだろうが、少しでも蕎麦の煮汁が混ざるとそれだけでアレルギー反応が出ます。

私は、そこまで酷くないのですが中学生のころに蕎麦を食べて
倒れたことがあるのでお店選びは慎重に行います。

お店のおばちゃんと立ち話をしつつ、うどんを茹で上がるを待つ。
立ち話の間に私が蕎麦アレルギーであることをさり気なく伝え、茹で上がったうどんを
水で洗い流してもらうことにしました。
麺は冷めてしまったけど、これで心置きなくうどんを堪能できる。


*沼津駅 桃中軒

桃中軒は、三島、沼津のみにある駅そばらしいので沼津で乗り換えなので
ここで二杯目を食べることにしました。
大船軒でうどんを流水で流してもらったものの、やはり少し唇と食堂がピリピリしたので
いくつか対策しないとと思いながら茹釜を覗き込む。

ん。。。結構、黒く濁ってる。。。
お隣でうどんを啜ってる女の子に目をやると麺が茶色い。
おばちゃんに話を聞いてみると、うどんには冷凍麺を採用しており
結構な時間茹でないと出せないそうだ。

こういった立ち食い店は、予め製麺所で茹で上げられた麺をお店に卸し
店頭で再度湯に潜らせることにより短時間で提供できるのがウリだ。
最近は、日持ちのする冷凍麺を採用しているケースも多い。 

うーん、美味しそうだっただけに桃中軒はパスしました。。。




 


しかし、電車がホームに入る前にエキナカスーパーがあるのを確認していたので
すぐに改札を出て甘味ものを。

*やまだいち  "野趣村情(やしゅそんじょう)"、安倍川もち。

野趣村情は、黒糖の甘さが懐かしいパリッとした生地にこし餡の入ったやさしい饅頭。
安倍川もちは、きな粉が飛びそうだったので京都に帰ってから食べることにしました。

そしてこの甘味ものに対する執着は、東京に戻る際に発揮されるのでした。。。

 



 

*静岡駅 富士見そば

静岡駅の富士見そばは大変有名なので、是非立ち寄ってみたいと思い途中下車。

台所を覗き込み、製麺所から送られてくるトレイが見えたので迷わず注文。
念の為に流水でうどんを洗ってもらう。


 

たぬきうどん。


まだ関東風の黒いお出汁です。しかし、少し醤油味が後退して鰹の香りが前に出ている。
東京の駅や、藤沢駅で食べたうどんと比べたらここが一番好きなお出汁だと思います。

たぬきうどん・そばは、関東では揚げ玉を乗せたものを指し
京都では、刻んだ油揚げに餡をかけたうどん、大阪では、油揚げを乗せた"そば"のことを指す
(詳しくはwikiを参照にしてください。私は餡のかかったたぬきは食べたことないはです。)

もちらん、まだまだ関東圏内なので揚げ玉が乗ってきます。
揚げ玉が乗っているのに、きつねより値段が高いのは不思議なのです


 

*豊橋駅 壺屋


壺屋は、改札内のコンコースにお店があります。
ホームにある駅そば・うどんしか狙ってなかったのですが、どうしても食べたったので下車。

豊橋駅のそば・うどんにはすべてのメニューに、刻みの油揚げが入っているのです。
豊川稲荷が近くにあるというのが理由だそうです。
 
油抜きされた油揚げの香ばしさが際立つおうどんですが、お出汁はより醤油味が強調され
塩辛く完飲するのはかなりキツい。正直、好みではありませんでした。




 


*藤田屋 大あんまき


知立名物の大あんまき。
豊橋駅の中央改札内に、店舗を出しており何層にも平積みされた
大あんまきを見ると餡子好きとしては、塩辛くなった口に甘いものを欲しくなってしまうんです。 




*米原駅 井筒屋

東海道駅うどんの旅、最後のうどん。
米原〜大垣間の乗り換えの待ち時間や、私と同じ18きっぷの旅行者
ムーンライトながらで夜を過ごす前の夜食に。

数々の旅行者の記憶に刻まれる駅そば・うどん。
それが米原駅の井筒屋です。

私が、駅うどんに凝るキッカケになった店であり、今でも食べ続けるお店でもあります。






そして、関東風の黒いお出汁が関西風の琥珀色のお出汁に変わりました。
昆布と鰹節薄口醤油が利いた関西のおつゆです。

うどんの出汁の変化については、タモリ倶楽部や他の記事などで語られているように
関ヶ原がひとつのボーダーラインと呼ばれております。

大垣〜関ヶ原〜米原の間には、駅そば・うどんが営業されたことはなく
名古屋〜大垣間もかつて駅そば・うどんが営業されてましたが
今はすべて店を閉じており検証することができません。

なので、米原駅からお出汁が変わるということで間違いないと思います。


 

井筒屋も、元は米原周辺のお弁当屋であり新幹線に乗り換える通路で駅弁の販売も行っております。


寒さが凍みる米原駅で啜るこの井筒屋のうどんは、食べつつけることでしょう。。。






*番外編 実家の年越しうどん


家族で私だけ蕎麦が食べれないので、物事ついたときから年越しそばではなく、うどんでした。
京都では年越しそばに、にしんを乗せることが多く子供の頃から当然の様に食べておりました。
にしんの甘露煮を乗せたそばは、四条南座の1階にある"松葉"が発祥で
ウーピーズに行く際によく前を通っておりました。昔からあるお店です。

スーパーでも年中、真空パックされたにしんの甘露煮は売られており
"松葉"ブランドの甘露煮は、年末シーズンになると必ず店頭に並びます 

九条ねぎが乗っていないのは、ただ買い忘れただけです。。。
 



あと一回分、18きっぷは残っている。。。
正月に暴飲暴食をし、たっぷり体重を増やしたのにもかかわらず 

また帰り道に、 うどんを食べることを思いつくのでした。

その2に続きます!