Your Place. photobook

写真展の後片付けも落ち着き、溜まった仕事を片付けつつ
友達と遊んだり展示中にいただいたCDを聞いたりして過ごしました。

終わってからなんの余韻もなく普段の多忙な生活が押し寄せてもう11日も経ったのかと思うと
寂しい気持ちもしますが、本の発送作業が残ってました。

都合が悪くて写真展に来れなかった友達や、遠くに住む友達、まだ見ぬ土地や
会ったことのない友達にこの本を送らなければなりません。
本当にいい本なので。






中野 賢太 / Your Place.  価格1728円(税込)

2007年頃からハードコア・パンクのライブ撮影をしていた中野が、ライブ写真としての限界や
表面的な”非日常感”に違和感を感じ、東京に拠点を移してからの自らの生活や内情も撮影し
その中にハードコア・パンクが存在するという生活を繰り返しました。

この本の中に友人との別れや孤独、プロテスト、新しい出会いや生活、未来への話など
自分と友達のいくつかのストーリーが存在し同時に時を刻み今年の5月で完結していますが
本を家に持ち帰っても、そのまま地続きでストーリーを継続できる本になりました。

個人的な音楽の話でなぞると、HOAXに会えたことが完全に大きくて
その後のRAKTAやBelgrado、ARMS RACEやCØNDITIØNに繋がったのだと思います。
MOONSCAPEやSTRUGGLE FOR PRIDE、UNARM、solvent cobaltなどの私が大好きなバンドが
同じストーリーを共に遊びながら歩いた ショウキ君、CHIROちゃん、松ケン君などの友達の記録でもあります。

この本を通して、自分の居場所とは何か、あなたが居るべき居場所はどこか一緒に考えれたらと思います。


中野 賢太 / Your Place. 

著者:中野賢太 
デザイン:鈴木健太
版形:B5 
総頁数:無線綴じ両面カラー68頁 
価格:1600円+税


よくある"インフォ"ってのは、こんな感じです。
しかし、もっと色んな人達に手にとって欲しい本なので少しエピソードを。

CDJournalのwebページにてSTRUGGLE FOR PRIDEのインタビューを撮影
させていただきまして。

記事にも載ってるんですが、METEO NIGHT 2017でのECDさんとのやりとりを横で聞いてて
今は、データ化しちゃうんでネガのスリーブを手にとってチェックってあまりしないんですけど
撮影終わって、家に帰ってからあの日のネガをチェックしたんです。

ECDさんが「次は、STRUGGLE FOR PRIDEです」と言った後の、舞台袖にハケるカットがあったのです。

そのときのECDさんの表情は、インタビューを聞く前と後では、全く印象が変わりました。
何も知らない、感じれなかった僕は、無意識にあのカットが目に入らなかったんでしょう。
デザイナーに無理を言って見開きの1ページを増やしてもらいました。

写真展、この本に中身を入れてくれたのはライターの服部さんのおかけです。
ありがとうございました。

他にも、何も無い自分の写真に意味を見出してくれたり、中身を入れてもらってます。
ここでは多くは語れませんが、この本には仕掛けをたくさん入れました。

家に持ち帰っても、その人のストーリーが継続できる本を作れたと思います。
ぜひ、手にとってください。

中野賢太




web通販用のストアを開設しました。

nakano camera 
BOOK DELIVERY SERVICE






私からでも通販可能です。

下記店舗様にも置かせてもらってます。




【取扱店舗様】


東京
・TRASMUNDO
・record shop BASE
・ON SUNDAYS
・IRREGULAR RHYTHM ASYLUM
・古書 コンコ堂
・タコシェ
DISKUNION 新宿パンクマーケット 
DISKUNION 渋谷パンク・ヘヴィメタル館
・JET SET 下北沢店
・Toosmell records

福島
culture(ノブくんディストロ)

水戸
・record KNOX

愛知
・FILE-UNDER RECORDS
・ON READING

三重
・punk shop VORTEX
・Rainbow Future(松阪)

京都
・JET SET 京都店
・喫茶 ゆすらご

大阪
・PUNK AND DESTROY

岡山
・record shop DIG DIG
・ショウキ君のディストロ
・VOX POPULI

福岡
・SHE SAYS distro

熊本
・mychairbooks

今、やりとりしている店舗様もいらっしゃいますのでもっと増える予定です。
ディストロなど1冊からでもOKなのでお気軽にご連絡ください。


kenta.photo.noassociation(at)gmail.com
中野賢太
















Your Place is here.





中野賢太写真展"Your Place"無事に最終日を向かえ、撤収が終わりました。

たくさんの方に来ていただいて本当に嬉しいです。

生活の時間を削ってご来場していただいた皆さん。
いつも撮らせてくれる友達。
FAITHの杉浦さん。
最高のパーティーを作ってくれたDJの皆さん。
告知やコメントをしてくれた皆さん。
遠方だったり、予定が合わなかったりしたけど色々気にかけてくれた皆さん。
この写真展をきっかけに出会えた皆さん。

私が、在廊していないときにお会いできなかった方もいらっしゃいますので
この場でご挨拶させていただきます。

本当にありがとうございました。

最初は、どう転ぶかわからなかったこの写真展も、私が写真に残した余白に
意味を見出して持ち帰ってくれたり、考えてくれたりして日に日にギャラリー内の景色が変わって行きました。

色々、SNSを通してコメントをいただけたりして景色が変わったことも多いとは思いますが
遊びに来て頂いた皆さんが何かを持ち込んでくれたのだと思います。

Your Place.

難しいですね。

今でも居場所とか、そういう言葉を聞くと懐疑的になります。
だって私は、写真を撮ることで私は居場所を失ったのですし。

どんな集団の中に居てもあくまで、「個」である。というのは
私の人生において一貫したテーマです。

その「個」であるという、生き方をしてる、それを選んでいる、選ばされている
友達を撮っていくと、傍観者として点が線になるのです。

居場所ってなんだろう。

最終日に大阪で大きな地震がありました。
私は、ツイッター上で東京に住まれていて出身が関西だったり、東日本大震災を経験され
心細くされてる方がいらっしゃったらFAITHにお立ち寄りくださいとツイートしました。
それは、私が東日本大震災のときに心細く思って体を起こし無理にライブに行って、
みんなで募金したりレトルト食品集めたり、いつもみたいにバカは話をしたり。
そういった経験があったからでした。

続けて

ただ群れて居場所を誇示する事は、Your Placeではないです。
つらいときに集まったり話したり出来るのがYour Placeだと思います。

とツイートしてました。

写真展のタイトルを謳うとしたら、この事をずっと言いたかったのかも知れません。


愛するハードコア・パンクやアンダーグラウンドカルチャーが 非日常として表現され
消費されている。 それがここ数年間の間にずっと感じていた疑問でした。 


ギャラリー内に掲示したステートメントの冒頭の分です。
これは、フライヤーの裏面に書いたものの消してしまった文です。

3年ほど前に京都から東京に引っ越してから、始めた生活はこれに近づくためだったのかも知れません。
京都に住んでる頃は、いわゆるライブに行くときは家事などを済ませて着替えて
バイクにまたがり30分。生活を中断した上に存在するものでした。
実質的な距離感のことを言ってるのかも知れませんが、あまりにも生活からかけ離れた世界に所謂、
"非日常"に自らを置き、疑問を感じながらも笑って過ごす。
その事を誰かに打ち明けても共感されることも少なく、ただ消費しているだけだったと思います。
私にとってハードコア・パンクやアンダーグラウンドカルチャーは息抜きでもストレス解消ではなかったようです。
LOWERの京都でのツアーアテンドを手伝ったときに私の考えが決定的になったと思います。
LOWERと同行してた、一度も会ったこともないCHIROちゃんに連絡をとったことを覚えています。

かつて私がリリースしたZINEは、ステレオタイプなハードコア・パンクイメージを想起するデザインや内容であり、
いい作品ではありますがもう同じものは作れないと思っていました。
ですが、私はハードコア・パンクの写真を撮ることが何よりも好きだったのです。

ステージ上がった瞬間の写真に説得力や深みを持たせるために、その前後をたとえカメラを向けなくても見ていたり
耳に入れたりするようにし、家にそのフィルムを持ち帰ったあともストーリーを継続させる事を意識しました。

なんとかして日常と非日常の境を無くそうとしたのです。

私は、ハードコア・パンクも生活も仕事も全て一緒だと思っています。
最高の瞬間に出会うために、自分のストーリーを歩きながら登場人物ののストーリーも追うのです。
そのうちに、友達のとの別れや孤独、プロテスト、新しい出会いや生活、未来への話などをWALL OF PHOTOGRAPH、
すべて貼り出し境界線を無くして展示いたしました。

この10日間、お付き合いしていただきましてありがとうございました。
少しずつ、Your Placeの本を卸していってるところです。

松ケン君、ありがとうございました。
松ケン君、キミちゃんのために写真展をやったような気がします。
また遊びましょうね。

中野賢太