東海道駅うどんの旅 その1


今年から東京に引っ越した私は、青春18きっぷを使い京都に帰ることを計画しました。
かつてはライブ遠征のために東京、京都間の移動や夏休みに丸一日かけて京都から
長崎まで乗り継いだり、18きっぷの旅には慣れておりました。

毎度、移動時間のすべてを電車の中で過ごすことに飽きていた私は
京都に帰るまでの間、何杯駅うどんを食べられるのか?
そして何処で関西風の出汁に変わるのか?

自分の身体を使って試してみることにしました。

タイムリミットは、出町柳SOCRATESの恒例年末GIGに間に合わせる事。
そして、何故うどんなのかは、私大好物がうどんであり、蕎麦アレルギーでもあるから。

iphoneを使った検索と車窓から見える、"そば・うどん"の小屋を探しながら西へと向かいました。


*藤沢駅 大船軒
 
電車の遅れから、藤沢駅に停車することになり乗り換え待ちの間にホームを散策すると麺の茹でたいい匂いが。
階段の下にひっそりと佇む店構え。

熱海で一杯目を食べようと思ったが変更。
大船軒は、日本レストランエンタプライズ(JRの子会社)とお弁当屋の大船軒の合弁会社。
駅そばの大元が街のお弁当屋さんというのはよくあるパターンらしい。




 

まずは、"かけ"から。 

まだまだ関東風の醤油味がキツい色の濃いお出汁。
大船軒は、刻みの白ネギが乗っていた。
うどんはぼそぼそした柔らかい麺で、関西のおうどんに慣れた私にはこちらのほうが好み。


 

大体の駅そば、立ち食いそばは、そばとうどんを同じ釜で茹でている。
蕎麦アレルギーの人はお分かりだろうが、少しでも蕎麦の煮汁が混ざるとそれだけでアレルギー反応が出ます。

私は、そこまで酷くないのですが中学生のころに蕎麦を食べて
倒れたことがあるのでお店選びは慎重に行います。

お店のおばちゃんと立ち話をしつつ、うどんを茹で上がるを待つ。
立ち話の間に私が蕎麦アレルギーであることをさり気なく伝え、茹で上がったうどんを
水で洗い流してもらうことにしました。
麺は冷めてしまったけど、これで心置きなくうどんを堪能できる。


*沼津駅 桃中軒

桃中軒は、三島、沼津のみにある駅そばらしいので沼津で乗り換えなので
ここで二杯目を食べることにしました。
大船軒でうどんを流水で流してもらったものの、やはり少し唇と食堂がピリピリしたので
いくつか対策しないとと思いながら茹釜を覗き込む。

ん。。。結構、黒く濁ってる。。。
お隣でうどんを啜ってる女の子に目をやると麺が茶色い。
おばちゃんに話を聞いてみると、うどんには冷凍麺を採用しており
結構な時間茹でないと出せないそうだ。

こういった立ち食い店は、予め製麺所で茹で上げられた麺をお店に卸し
店頭で再度湯に潜らせることにより短時間で提供できるのがウリだ。
最近は、日持ちのする冷凍麺を採用しているケースも多い。 

うーん、美味しそうだっただけに桃中軒はパスしました。。。




 


しかし、電車がホームに入る前にエキナカスーパーがあるのを確認していたので
すぐに改札を出て甘味ものを。

*やまだいち  "野趣村情(やしゅそんじょう)"、安倍川もち。

野趣村情は、黒糖の甘さが懐かしいパリッとした生地にこし餡の入ったやさしい饅頭。
安倍川もちは、きな粉が飛びそうだったので京都に帰ってから食べることにしました。

そしてこの甘味ものに対する執着は、東京に戻る際に発揮されるのでした。。。

 



 

*静岡駅 富士見そば

静岡駅の富士見そばは大変有名なので、是非立ち寄ってみたいと思い途中下車。

台所を覗き込み、製麺所から送られてくるトレイが見えたので迷わず注文。
念の為に流水でうどんを洗ってもらう。


 

たぬきうどん。


まだ関東風の黒いお出汁です。しかし、少し醤油味が後退して鰹の香りが前に出ている。
東京の駅や、藤沢駅で食べたうどんと比べたらここが一番好きなお出汁だと思います。

たぬきうどん・そばは、関東では揚げ玉を乗せたものを指し
京都では、刻んだ油揚げに餡をかけたうどん、大阪では、油揚げを乗せた"そば"のことを指す
(詳しくはwikiを参照にしてください。私は餡のかかったたぬきは食べたことないはです。)

もちらん、まだまだ関東圏内なので揚げ玉が乗ってきます。
揚げ玉が乗っているのに、きつねより値段が高いのは不思議なのです


 

*豊橋駅 壺屋


壺屋は、改札内のコンコースにお店があります。
ホームにある駅そば・うどんしか狙ってなかったのですが、どうしても食べたったので下車。

豊橋駅のそば・うどんにはすべてのメニューに、刻みの油揚げが入っているのです。
豊川稲荷が近くにあるというのが理由だそうです。
 
油抜きされた油揚げの香ばしさが際立つおうどんですが、お出汁はより醤油味が強調され
塩辛く完飲するのはかなりキツい。正直、好みではありませんでした。




 


*藤田屋 大あんまき


知立名物の大あんまき。
豊橋駅の中央改札内に、店舗を出しており何層にも平積みされた
大あんまきを見ると餡子好きとしては、塩辛くなった口に甘いものを欲しくなってしまうんです。 




*米原駅 井筒屋

東海道駅うどんの旅、最後のうどん。
米原〜大垣間の乗り換えの待ち時間や、私と同じ18きっぷの旅行者
ムーンライトながらで夜を過ごす前の夜食に。

数々の旅行者の記憶に刻まれる駅そば・うどん。
それが米原駅の井筒屋です。

私が、駅うどんに凝るキッカケになった店であり、今でも食べ続けるお店でもあります。






そして、関東風の黒いお出汁が関西風の琥珀色のお出汁に変わりました。
昆布と鰹節薄口醤油が利いた関西のおつゆです。

うどんの出汁の変化については、タモリ倶楽部や他の記事などで語られているように
関ヶ原がひとつのボーダーラインと呼ばれております。

大垣〜関ヶ原〜米原の間には、駅そば・うどんが営業されたことはなく
名古屋〜大垣間もかつて駅そば・うどんが営業されてましたが
今はすべて店を閉じており検証することができません。

なので、米原駅からお出汁が変わるということで間違いないと思います。


 

井筒屋も、元は米原周辺のお弁当屋であり新幹線に乗り換える通路で駅弁の販売も行っております。


寒さが凍みる米原駅で啜るこの井筒屋のうどんは、食べつつけることでしょう。。。






*番外編 実家の年越しうどん


家族で私だけ蕎麦が食べれないので、物事ついたときから年越しそばではなく、うどんでした。
京都では年越しそばに、にしんを乗せることが多く子供の頃から当然の様に食べておりました。
にしんの甘露煮を乗せたそばは、四条南座の1階にある"松葉"が発祥で
ウーピーズに行く際によく前を通っておりました。昔からあるお店です。

スーパーでも年中、真空パックされたにしんの甘露煮は売られており
"松葉"ブランドの甘露煮は、年末シーズンになると必ず店頭に並びます 

九条ねぎが乗っていないのは、ただ買い忘れただけです。。。
 



あと一回分、18きっぷは残っている。。。
正月に暴飲暴食をし、たっぷり体重を増やしたのにもかかわらず 

また帰り道に、 うどんを食べることを思いつくのでした。

その2に続きます!