Your Place is here.





中野賢太写真展"Your Place"無事に最終日を向かえ、撤収が終わりました。

たくさんの方に来ていただいて本当に嬉しいです。

生活の時間を削ってご来場していただいた皆さん。
いつも撮らせてくれる友達。
FAITHの杉浦さん。
最高のパーティーを作ってくれたDJの皆さん。
告知やコメントをしてくれた皆さん。
遠方だったり、予定が合わなかったりしたけど色々気にかけてくれた皆さん。
この写真展をきっかけに出会えた皆さん。

私が、在廊していないときにお会いできなかった方もいらっしゃいますので
この場でご挨拶させていただきます。

本当にありがとうございました。

最初は、どう転ぶかわからなかったこの写真展も、私が写真に残した余白に
意味を見出して持ち帰ってくれたり、考えてくれたりして日に日にギャラリー内の景色が変わって行きました。

色々、SNSを通してコメントをいただけたりして景色が変わったことも多いとは思いますが
遊びに来て頂いた皆さんが何かを持ち込んでくれたのだと思います。

Your Place.

難しいですね。

今でも居場所とか、そういう言葉を聞くと懐疑的になります。
だって私は、写真を撮ることで私は居場所を失ったのですし。

どんな集団の中に居てもあくまで、「個」である。というのは
私の人生において一貫したテーマです。

その「個」であるという、生き方をしてる、それを選んでいる、選ばされている
友達を撮っていくと、傍観者として点が線になるのです。

居場所ってなんだろう。

最終日に大阪で大きな地震がありました。
私は、ツイッター上で東京に住まれていて出身が関西だったり、東日本大震災を経験され
心細くされてる方がいらっしゃったらFAITHにお立ち寄りくださいとツイートしました。
それは、私が東日本大震災のときに心細く思って体を起こし無理にライブに行って、
みんなで募金したりレトルト食品集めたり、いつもみたいにバカは話をしたり。
そういった経験があったからでした。

続けて

ただ群れて居場所を誇示する事は、Your Placeではないです。
つらいときに集まったり話したり出来るのがYour Placeだと思います。

とツイートしてました。

写真展のタイトルを謳うとしたら、この事をずっと言いたかったのかも知れません。


愛するハードコア・パンクやアンダーグラウンドカルチャーが 非日常として表現され
消費されている。 それがここ数年間の間にずっと感じていた疑問でした。 


ギャラリー内に掲示したステートメントの冒頭の分です。
これは、フライヤーの裏面に書いたものの消してしまった文です。

3年ほど前に京都から東京に引っ越してから、始めた生活はこれに近づくためだったのかも知れません。
京都に住んでる頃は、いわゆるライブに行くときは家事などを済ませて着替えて
バイクにまたがり30分。生活を中断した上に存在するものでした。
実質的な距離感のことを言ってるのかも知れませんが、あまりにも生活からかけ離れた世界に所謂、
"非日常"に自らを置き、疑問を感じながらも笑って過ごす。
その事を誰かに打ち明けても共感されることも少なく、ただ消費しているだけだったと思います。
私にとってハードコア・パンクやアンダーグラウンドカルチャーは息抜きでもストレス解消ではなかったようです。
LOWERの京都でのツアーアテンドを手伝ったときに私の考えが決定的になったと思います。
LOWERと同行してた、一度も会ったこともないCHIROちゃんに連絡をとったことを覚えています。

かつて私がリリースしたZINEは、ステレオタイプなハードコア・パンクイメージを想起するデザインや内容であり、
いい作品ではありますがもう同じものは作れないと思っていました。
ですが、私はハードコア・パンクの写真を撮ることが何よりも好きだったのです。

ステージ上がった瞬間の写真に説得力や深みを持たせるために、その前後をたとえカメラを向けなくても見ていたり
耳に入れたりするようにし、家にそのフィルムを持ち帰ったあともストーリーを継続させる事を意識しました。

なんとかして日常と非日常の境を無くそうとしたのです。

私は、ハードコア・パンクも生活も仕事も全て一緒だと思っています。
最高の瞬間に出会うために、自分のストーリーを歩きながら登場人物ののストーリーも追うのです。
そのうちに、友達のとの別れや孤独、プロテスト、新しい出会いや生活、未来への話などをWALL OF PHOTOGRAPH、
すべて貼り出し境界線を無くして展示いたしました。

この10日間、お付き合いしていただきましてありがとうございました。
少しずつ、Your Placeの本を卸していってるところです。

松ケン君、ありがとうございました。
松ケン君、キミちゃんのために写真展をやったような気がします。
また遊びましょうね。

中野賢太